2024年4月、ザンビア東部のルンダジでは、国民登録局の前に緑色の国民登録カード(NRC)を求める人びとの列ができた。東部州政府が掲載したZANISの記事は、ルメジ、チャセフ、ルンダジの各地区から、年齢を過ぎて未登録だった人と登録年齢に達した人が窓口へ集まったと記録している。
この列を生んだのは、身分証そのものだけではない。緊急対応の登録事業により、救援を受ける資格の確認にNRCが必要になったためだった。カードは日常の行政手続きに使う一枚であると同時に、干ばつなどで支援が必要なときには公的制度への入口にもなる。遠方の複数地区から人が集中したことで、登録事務所は混み合った。
選挙や旅券の列と同じように、ここでも待つ順番は「自分が誰であるか」を公的に証明する手続きへつながっていた。ただし、その先にあったのは権利の行使だけでなく、目の前の救援だった。身分証の列は、行政の一枚のカードと生活の安全網がどれほど近く結びつくことがあるかを示している。
