2021年9月29日、マダガスカル南部。長引く干ばつで食料危機が深まるなか、子どもたちが食料配布を待っていた。写真説明が日付、国、目的を明記しており、単に支援制度があったという記録ではなく、受け取る人がその場で待っていたことを直接伝えている。

同じ時期の現地報道では、南部の移動診療所に集まった人々のなかから、看護師らが緊急度の高い子どもを見つけて列の前方へ案内していた。身体計測と栄養状態の確認を経て、家族には世帯の子どもの数に応じた食料が渡された。ここでの順番は、到着順だけで完結するものではない。限られた支援を、命にかかわる緊急度に応じて動かす判断が重なっていた。

配布所の列は、干ばつを一枚で説明する図ではない。そこまで何時間も歩いた家族、列へ来られなかった人、支援が尽きる不安も写真の外側にある。それでも、食料を待つという行為の具体性は残る。違う土地、違う危機のなかでも、家族の次の食事を受け取るために自分の番を待つ時間があった。