2020年4月、ナイジェリアでは新型コロナウイルス対策の外出制限が始まり、日々の収入を失った世帯へ食料支援が配られた。4月3日のアブジャでは、アル・ハビビヤ・フードバンクの配給を待つ人々をChannels Televisionが撮影した。4月18日のラゴスでも、州政府が配る食料を受け取る人々の列が記録されている。
封鎖の目的は人と人との距離を取ることだった。けれども食料を受け取れる場所と時間が限られれば、人々は同じ地点へ集まる。支援パックは米、豆、ガリなどを組み合わせ、一定期間の家族の食事を支える想定だったが、地域の世帯数に対して届いた数が少なかったという証言も残る。列に並ぶことは、感染の危険と空腹の危険を同時に引き受けることだった。
この列を、規則を守らない人々の姿として読むことはできない。家にとどまる安全と、家族の食料を確保する必要が衝突した記録だからだ。違う世界でも、限られた窓口へ人が集まり、自分の番を待つ。その共通性の背後には、待たずに済む選択肢がなかったという重さがある。
