2008年3月29日、ジンバブエの大統領・議会選挙で、ハラレのコートニー・セルース学校には投票開始前から約300人が並んだ。ABCの現地報道では、3時間以上早く来た人もいた。長期政権を率いるロバート・ムガベと、野党候補モーガン・ツァンギライらが争う選挙で、投票用紙を受け取るまでの待機は、深刻なインフレと政治的緊張のただ中に置かれていた。
この列を結果への期待だけで説明すると、大切な点を落とす。人々が待っていた時点では、勝者も、その後に続く集計の遅れも、決選投票をめぐる暴力も確定していなかった。目の前にあるのは、名簿で本人を確認され、複数の選挙の投票用紙を受け取り、秘密投票へ進む順番だけである。三時間早く到着する行為は、投票への熱意であると同時に、手続きが滞る可能性を自分の時間で吸収する備えでもあった。危機の年の投票所では、民主主義は抽象語ではなく、授業のない学校の門前で自分の番を失わないための早起きとして現れた。
2008年の投票は大統領だけでなく議会や地方の選択も重なり、手続き自体が単純ではなかった。しかも経済危機のなかで、列に費やす三時間は食料を探す時間や働く時間とも競合する。早朝の300人は、投票率を示す数字になる前に、生活上の費用を自分で負担して参加した人々だった。
