エジプトの配給カードは、補助価格のパンや食料品を受け取るための生活インフラである。カードに子どもを追加する、紛失したカードを再発行する、登録内容への異議を申し立てる――一つひとつは事務手続きだが、窓口が限られれば、人は同じ場所で順番を待つ。
2018年8月、カイロのマタリーヤにある配給事務所では、子どもの追加登録やカードの再発行を求める市民が列をつくった。アルアハラムの取材では、列が数メートルに延び、暑さの中で一、二時間待ったという高齢女性の声も記録された。同年12月には、アレクサンドリアのアブ・キール事務所でも、異議申立書を提出する市民が狭い廊下に大きな列をつくり、なかなか前へ進まない様子が報じられた。
ここで待つ目的は、特別な品を手に入れることではない。家族が日々の食料を受け取る権利を、カードの上で正しく機能させることだ。番号や書類の向こうに夕食があるから、役所の列は暮らしそのものの列になる。
