2020年3月、オーストラリアで新型コロナウイルス対策による営業停止と雇用喪失が広がると、福祉窓口Centrelinkの外に列ができた。連邦議会上院の新型コロナ特別委員会報告は、都市部と地方の各地で列が街区を回り込み、新たに失業した人々が登録を試みたと記録する。待っていたのは給付金そのものより先に、制度へ自分を登録するための窓口だった。
同時にオンラインサービスmyGovにもアクセスが集中した。デジタル申請が物理的な列を代替するはずの制度で、接続障害や手続きの不明点が人を支店へ戻した。感染を避けるため人との距離が求められた時期に、収入を失った人ほど他人と同じ歩道で待たなければならないという矛盾が生じた。
委員会資料は全支店に共通する待ち時間を示していない。列にいた人の事情も一様ではない。それでも、失業給付の受給者数が3月と4月に倍増した時期と、街角の列が結びついて記録されたことは重要だ。経済危機は統計表だけでなく、昨日まで制度を必要としなかった人が、今日初めて入口を探す順番として現れた。
