2015年3月3日、モスクワのサハロフ・センターの外で、野党政治家ボリス・ネムツォフの遺体に別れを告げる人々が待った。ロイター通信は、入場を待つ列が周辺の通りへ約1キロ延びたと報じている。ネムツォフは数日前、クレムリンに近い橋の上で銃撃されて死亡した。列の長さは人気の指標ではなく、政治的暗殺の直後に公然と追悼する人々の数を都市空間に刻んだ。

待機の先には、閉ざされた式ではなく棺を置いた告別の場があった。ホールの収容力と、一人ずつ献花し立ち去る速度が入口の流れを決めた。赤いカーネーションを持つ人々が多かったことは報道写真にも残るが、全員の政治的立場や個人的な関係は分からない。弔問者を一つの意思にまとめず、誰でも入れる場所へ向かう列が形成された事実を押さえる必要がある。

前年まで政府要職を務めた人物ではなく、権力を批判し続けた人物への列だったため、待つこと自体が目撃される行為になった。約1キロという数字は式典の規模だけを示さない。弔問者が匿名の群衆に消えず、通りの上で一人ずつ数えられ得る状況も同時に示している。