陳廟の開印は、配布開始の瞬間より前夜の待機によって形づくられる。

陳朝の王を祀るこの行事で、印は仕事の成功、健康、平安への願いと結びついている。かつては配布開始時に押し合いが起きたこともあり、主催者は入口や柵、受け取り動線を整えてきた。列は信仰を測る順位表ではない。多数の人が同じ瞬間に同じ物へ向かうのを、危険なく時間の順序へ変換する仕組みである。

柵と入口は信仰心を順位づけるためではなく、同時に集まる願いを安全な流れへ変えるためにある。

2025年2月11日から12日にかけて、ベトナム北部の陳廟では、新春の「開印」を受ける人々が夜通し列をつくった。現地紙ダンチーは、防寒着に身を包み、柵で区切られた通路を進みながら、縁起のよい印を待つ参拝者を記録している。配布は祭礼の後に始まるため、早く着くことは、そのまま長い夜を引き受けることでもあった。

受け取る紙片は軽いが、その前に置かれた時間は重い。人々は未来の出世や無事を願いながら、寒い現在を隣り合って過ごす。印が幸運を保証するわけではない。それでも、夜を越えたという経験まで含めて、新しい年を始める手触りになる。

紙の印には、夜を同じ場所で越えた時間まで折り畳まれている。

2025年2月12日、ナムディンのチャン寺院では午前5時の印配布を前に、数千人が徹夜で列を作った。過去の押し合いを抑える警備によって、同じ願いは「奪う」動きから「順番を待つ」動きへ変えられていた。