2020年のテヘランでは、平焼きパン屋は匂いだけでなく、歩道へはみ出す列でも見つけられた。バルバリ、ラヴァシュ、サンガク、タフトゥーンは朝食から夕食まで食卓を支え、焼き上がるそばから客が求めた。ラマダン期には列が長くなり、感染症対策の距離を守らない客も多かったとパン職人は証言した。

伝統パンは家庭で同じように焼くのが難しく、隔離期に自作を試した客も店へ戻った。列は不足だけから生まれたのではない。高温の炉と職人の手仕事が一枚ずつ生産する速度、焼きたてを求める習慣、日常食としての需要が、店頭の順番をつくっていた。