1948年の復活祭前の木曜日、ニュージーランド南島ダニーデンのジョージ・ストリートで、人々がホルサム・ブレッド店のパンを買う列を作った。政府系百科事典Te Araが紹介する新聞写真には、祝日の買い物以上の事情が添えられている。1945年から商店の営業時間と製パン工場の労働時間が週40時間・週5日に変わり、週明けのサンドイッチには古くなったパンを使う家庭も多かったという。だから復活祭の長い週末を前にした列は、単なる人気商品の争奪ではない。労働時間を整える制度がパンの焼成日と販売日をまとめ、その結果、家庭の食卓が木曜日の店先へ同期した。列が記録したのは、休暇前の需要と、働き方改革が日常の鮮度に与えた意外な副作用だった。