1930年代のシカゴで、食事を求める人々の列は大恐慌を伝える写真の一つの象徴になった。失業率や株価の数字だけでは、仕事を失った人がその日の食事をどう確保したかは見えない。食料を配る場所の前にできる列は、統計を人間の時間へと引き戻す。
シカゴには慈善団体や民間の救済活動による無料の食事提供があり、ギャングとして知られたアル・カポネの名と結びつけて紹介される無料食堂の記録もある。ただし、当時のすべてのスープ配給写真をカポネの施設と同一視することはできない。どの写真が、いつ、どの施設で撮られたかは個別に確かめる必要がある。列にいる人を一律に「元工場労働者」と決めつけることもできない。
食べ物を受け取る順番は、誰かの困窮の順位ではない。前の人が一杯を受け取れば、次の人が少し前に進む。市場全体の崩壊という巨大な出来事が、そこでだけは一人分の歩幅で進んでいた。
