イスタンブールのエユップ地区にあるミフリシャー・ヴァリデ・スルタン公共炊事場は、1792年に設けられたオスマン期のイマレットである。2016年の現地報道は、ここで毎日およそ2,000人に温かい食事が提供され、若者や高齢者ら数百人が食事を待つ長い列をつくると記録した。利用者は家族の分を持ち帰る容器を手に来ることも、建物の中で食べることもできた。

イマレットは、ワクフと呼ばれる慈善財産によって、貧しい人、旅人、学生らに食事を提供してきた。18世紀末に始まった制度が、シリア難民や住まいのない人々も含む現代の都市の必要に応え続けている。列に並ぶ容器は一人分とは限らない。その向こうには、来られない家族の食卓もある。建物の歴史だけでなく、食事を受け取る順番そのものが、長く続く都市福祉を今日へつないでいる。