1973年の石油危機は、米国のガソリンスタンドを日常の風景から政治と経済の現場へ変えた。供給への不安が高まると、給油を待つ車列が各地で報じられた。自動車は移動の自由を象徴していたが、その自由はタンクに燃料があることを前提にしていた。

列に並ぶ車は、同じ量の燃料を必要としていたわけではない。通勤する人、仕事で車を使う人、家族を運ぶ人では、給油できないことの重みが違う。価格だけでなく、店がいつ開き、どれだけ販売できるかという情報も切実になった。後に導入された販売制限やナンバープレートによる購入日の割当ては、希少な燃料をどう分けるかという問題への対応だった。

この行列で人々が待ったのは、ガソリンだけではない。明日もいつもの生活を続けられるという確信だった。

ガソリン不足の列では、車そのものが道路上の番号札になる。運転できない車が順番を守るあいだ、通勤や配送に使える時間まで失われる。