2011年10月23日、チュニジアではベンアリ政権崩壊後初の全国選挙が行われた。ガーディアンの現地報道は、チュニス旧市街近くの投票所で、午前7時の開門前から長い列ができていたと記録する。選ばれる制憲議会には、新しい憲法を起草し、暫定政府をつくる役割が託されていた。

この列がほかの投票列と違うのは、投票用紙が政権交代後の制度そのものを組み立てる入口だったことだ。並ぶ人々は同じ候補を支持していたわけではない。むしろ、意見の異なる市民が同じ手順に従い、一人ずつ秘密投票へ進むことに意味があった。NDIの選挙報告も、この選挙を独立後初の民主的選挙と位置づけている。

革命は広場の群衆として記憶されがちだが、その後の政治は、開門を待つ列、本人確認、投票用紙という地味な順序に置き換えられた。熱狂ではなく手続きが次の国の形をつくる、そんな行列だった。