2023年、パキスタンでは物価高と前年の洪水被害を背景に、ラマダン期間の無料小麦粉配布が各地で始まった。1月にはミルプル・ハースで、補助価格の小麦粉を買うため数百人が公園の外に何時間も並んだ。トラックが到着すると人々が前方へ動き、1人が圧死した。3月の無料配布でも各地で死傷者が出た。

この待機の特徴は、受給資格を確認する仕組み、限られた配布地点、集中する需要が安全な順番を維持できなかったことにある。パキスタン人権委員会は配布制度を現地調査し、複数地域の死亡・負傷事例と運営上の問題を記録した。これは「並ぶ文化」の話ではない。生活に不可欠な食料へ安全に到達できるかという、配分設計と人権の問題である。