1999年4月、ロンドンのロイヤル・アカデミーで開かれた「Monet in the 20th Century」展は、閉幕直前の週末に英国の主要美術館として初めて一晩中開館した。前売券がなくても入場できる機会を求めて人びとが集まり、館外には列が延びた。最終週末だけで約4万4千人が訪れ、会期全体の入場者は約81万3千人に達した。
24時間開館は、人気を誇示する演出だけではなかった。通常の開館時間では吸収できない需要を、深夜と早朝へ分散する運営策だった。それでも現場では、徹夜開館が「待たずに見られる」ことを保証しなかった。入場を待つ順番と、館内で作品を見る人の流れを同時に管理する必要があった。
印象派の画家が光の移ろいを描いた展覧会は、皮肉にも夜のロンドンで最大の観客を迎えた。最後の列が待っていたのは開館時刻ではなく、開き続ける扉の向こうへ入る自分の番だった。
