1964年、ビートルズ公演の切符を求める列がイプスウィッチにできた。北アイルランド・スクリーンのデジタル映像アーカイブは「ビートルズのチケットに並ぶ人びと」と題する同年のニュース映像を保存し、ITVの回顧記事も数千人が切符を求めたと記録する。
公演そのものは数時間でも、座席を得る競争は発売時点から始まっていた。若いファンが一斉に同じ窓口へ向かうと、人気はレコード売上やチャート順位ではなく、街路を占める時間として現れる。
この列が待っていたのは音楽ではなく、後日に音楽を聴く権利を印刷した小さな紙だった。ビートルマニアは歓声だけでなく、切符売場の前で順番を守る長い静止時間も生み出した。
