1980年代初頭のハノイでは、配給制度の共同販売所に人々が並んだ。英国外交官ジョン・ラムズデンが1980~83年に撮影した写真には、野菜や果物を買う列が残る。研究資料も、米の配給を待つ列と、順番をめぐる日常の駆け引きを記録している。
配給券は商品を受け取る権利を示しても、すぐ手に入ることを保証しない。入荷時刻や量が限られれば、券を持つ人々は店先で順番を待つ。制度の紙と、実際の食べ物の間に列があった。
待つ人にとって大切なのは、政策の名前より、その日の米や野菜を家へ持ち帰れるかどうかだ。順番を守る小さな工夫には、どの時代の買い物にも通じる切実さがある。
