1944年8月6日頃、イタリアのフィレンツェ南部で、市民が食糧配給を受けるため列をつくった。ニュージーランド国立図書館が所蔵する戦争写真は、撮影地、時期、撮影者ジョージ・ケイを特定し、並ぶ人々を「食糧配給のため」と明記している。

列が生まれたのは、連合軍がフィレンツェへ進み、戦線が市街へ迫った時期だった。写真が伝えるのは配給制度の抽象的な説明ではなく、食べ物を受け取る順番を市民が身体でつくった一場面である。待つ人々の日常は、戦争の進行と食料供給の不安定さに直結していた。