1996年に日本で登場した「たまごっち」は、手のひらサイズの画面の中で生き物を育てる玩具だった。世話をしなければならない小さな存在が、店頭では手に入れるのが難しい人気商品になった。原票は東京での販売待ちを挙げているが、特定の店の行列を示す一次資料は未照合だ。

玩具の中では、持ち主が生き物を待たせると困ったことが起こる。玩具の外では、持ち主になる前の人間が入荷を待つ。世話をする側とされる側が逆転したような光景が、このブームにはあった。品薄は単に商品数の問題ではなく、「みんなが持っている」という会話に参加できるかどうかにも関わった。

当時の人気を語ることと、特定の日に列ができたと証明することは別だ。入荷日、店舗、購入制限などを確認できれば、この小さな卵をめぐる待ち時間が、もっと鮮明な記録になる。