ラマダン初日の朝、パレスチナ・ナブルス旧市街では、カタイエフを売る店の前に客が列をつくる。2018年5月の現地報道は、アル・ナスル通りの店を囲む列を写真とともに記録した。店の家族は、エルサレムで始めた商売をナブルスへ移して約40年になると話している。需要が最も大きいのは断食月の最初の一週間だ。
カタイエフは、薄い円形の生地を片面だけ焼き、家庭でチーズやナッツなどを詰めて仕上げる菓子である。普段は毎日の食卓に載る品ではないが、ラマダンのイフタールには欠かせないと店主は説明する。つまり客が待つのは完成したデザートではなく、各家庭で最後の工程を担うための生地だ。旧市街の列は、商店の40年の仕事と、それぞれの家の断食明けの食卓をつないでいる。
