2001年12月31日、ブエノスアイレスの銀行前で、住民が現金を引き出すため入店の順番を待った。ロイターの写真説明は、臨時政府が抗議を鎮めるため、銀行の営業時間を午前10時から午後8時まで延長した日だったと記す。危機の発端となった引き出し制限は12月初めに導入され、現金で取り出せる額を週250ドル相当に抑えた。預金流出と銀行崩壊を防ぐ政策だったが、利用者から見れば、通帳にある金額と実際に使える紙幣が切り離された。

「コラリート(小さな囲い)」と呼ばれた制度の下では、列の先へ到達しても預金を自由に持ち帰れるわけではない。制限は決済を銀行経由へ移す一方、現金で賃金を受け取る人や小規模商店の日常を圧迫した。12月19日に経済相が辞任し、翌20日には大統領も辞任したが、預金問題は年末にも続いていた。銀行前の列は、取り付け騒ぎを防ぐ政策が別の種類の待機を生んだ場面である。人々は「いつ開くか」だけでなく、「自分のお金のうち、今日はどこまで現金として認められるか」を待っていた。