2018年のボスニア・ヘルツェゴビナでは、移民や難民が食事の配給所で長い列をつくっていた。国連の11月月報は、ビラ受入センターで長い待ち列と待ち時間が衝突の原因になり、保護上・安全上の懸念を生んでいたと明記する。サラエボでも、宿泊施設などから配給地点まで歩き、屋外で並ばなくて済むよう、食料包を小規模な滞在場所へ届ける案が検討された。
ここで興味深いのは、列が単なる混雑ではなく、支援の仕組みそのものを測る指標になったことだ。食事を用意するだけでは十分ではない。食堂の広さ、配給場所までの距離、冬の雨や寒さ、利用者数に見合う処理能力がそろわなければ、必要な援助が新しい負担に変わる。
翌2019年にUNHCRが紹介したサラエボ近郊の受入センターでも、人びとが次の食事を待って施設の外に並ぶ姿が記録された。世界中に食べ物を待つ列はあるが、この列が示したのは、支援の質は「何を渡すか」だけでなく、「どう待たせるか」にも表れるということだった。
