2008年8月、ロシアとの戦争で揺れるジョージア中部のゴリでは、人びとが教会の配る食料を受け取るために列をつくった。『ガーディアン』の同時代写真記録は、8月15日にゴリで食料を待つ人びとの列を明記している。戦闘から逃れた人だけでなく、町に残った住民にとっても、並ぶことは日々の食事へつながる具体的な手段だった。
この列の背景には、援助が町へ届くまでの不安定な経路があった。写真説明によれば、ロシア軍はその日に初めて援助物資の通過を認めた。UNHCRも8月20日、西部ジョージアで数千人を対象とする救援物資の配布開始を報告し、WFPの食料とUNHCRの毛布、調理器具、衛生用品などが届けられたとしている。列の先にあったのは一つの商品ではなく、戦時下で細くなった複数の生活線だった。
同じ月のAP写真も、8月18日にゴリで女性たちが人道援助を受け取るため列をつくる様子を記録した。通常の買い物の列と形は似ていても、ここで順番が整理していたのは、戦争によって不足した必需品の配分である。行列は、支援が到着した証拠であると同時に、それを必要とする暮らしが多数存在したことを示す記録でもある。
