2020年の米国では、食料支援を行うフードバンクに車が列をつくる光景が見られた。フードバンクは、寄付などで集めた食品を必要な人へ届ける仕組みだ。車に乗って並べば、配布を受ける人が建物の中に密集することを避けられる場合もある。しかし車列が長いほど、生活に困る人の存在が道路の上に現れる。渋滞に見えるものが、実は食卓を守るための列だった。
フードバンクの自動車列では、待つ人が車内にいるため、歩道の行列とは違う風景が生まれる。車の有無は食料支援へのアクセスにも関わる。車列の長さだけを困窮の尺度にせず、徒歩や公共交通で来る人が利用できる仕組みも確認したい。
フードバンクの車列は道路の渋滞に見えても、目的地は職場でも娯楽施設でもない。車内で待つことで人との接触を減らせる一方、車を持たない人の利用方法という別の課題が浮かぶ。2020年のアメリカで報じられた光景を、車の台数だけで困窮の大きさに換算してはならない。配布場所と日付を確かめ、その地域の支援方法とともに伝えたい。
ロイターは2020年、需要急増下の米国フードバンクにできた車列を直接記録している。
