2020年6月、ニュージーランド・オークランド南部のマヌカウで、ブラウン・バタビーン・モチベーションのフードバンクを待つ車列が高速道路近くまで伸びた。運営者デイブ・レテレは、施設の規模では増え続ける需要に追いつけないと語った。
新型コロナウイルス対策のロックダウンは、感染だけでなく家計にも衝撃を与えた。支援を必要としたのは、以前から生活が苦しかった世帯だけではない。仕事や収入を失い、それまで食料支援を利用したことのなかった層も列に加わった。車は互いに距離を保てる待機場所である一方、必要の大きさを道路上に可視化した。
この列の固有性は、福祉窓口の待合室ではなく、自家用車が一台ずつ食料への順番を示した点にある。豊かな食料生産国でも、危機が家計へ届く速度は速い。高速道路へ近づく車列は、統計より早く地域の困窮を知らせる指標になった。
