2024年2月14日、マニラのキアポ教会(黒いナザレ像の小バシリカ)の境内に、カトリック信徒が列をつくった。待っていたのは入場ではなく、司祭から額に灰をつけてもらう順番だった。灰の水曜日は四旬節40日間の始まりで、前年の枝の主日に使った葉を焼いた灰が用いられる。
この年は灰の水曜日とバレンタインデーが重なった。早朝のミサには家族やカップルも訪れ、午前5時から11時までは毎時、その後も昼と夕方にミサが予定された。教会の外では花、ぬいぐるみ、ハート形のチョコレートが売られ、境内では悔い改めを示す灰を受ける列が進んだ。
同じ日、同じ場所に、恋愛を祝う商いと宗教暦の節目が並んだ。行列の目的は華やかな贈り物ではなく、額に短く残る灰の印だった。
