1951年10月から1952年3月にかけ、独立インド初の総選挙が行われた。選挙管理委員会の記録には、屋外で順番を待つ有権者の大きな列が残る。約1億7321万人が登録され、1億595万83人が投票した。
識字率が低い社会で秘密投票を成立させるため、候補者ごとに選挙記号を付けた別々の投票箱が置かれた。全国19万6084か所の投票所に、250万個を超える鋼鉄製投票箱が用意された。
人びとが待った先にあったのは、名前を読んで印を付ける一枚の用紙ではない。自分が選ぶ候補の記号を見つけ、その箱へ投票紙を入れる仕組みだった。列は、普通選挙を巨大な国で実物の手続きに変える入口になった。
