1904年、現在の南アフリカ東部にあたるナタールで、アフリカ人住民が天然痘予防接種の列に並んだ。写真アーカイブの説明は、流行への対応として植民地政府が一斉接種を命じ、列の先頭の女性が腕へ接種を受ける場面だと記す。撮影者、正確な場所、列の人数、待ち時間は資料から分からない。確認できるのは、接種の実施だけでなく、人々が順番をつくり、先頭から処置を受けたことである。この列を自主的な公衆衛生活動としてだけ描くことはできない。植民地政府の「普遍的接種」命令の下でつくられたものであり、医療の利益と行政の強制性が同じ写真に重なる。注射を待つ順番は、感染症対策が誰の権限で、誰の身体に実施されたのかを示している。
南アフリカ · 1904年
1904年ナタール、一斉接種命令の列
