2020年、新型コロナウイルスの流行で仕事と収入を失った米国の人々が、車のまま食料配布を待った。AP通信は、ルイジアナ州メテリーの配布所で一晩を車内で過ごした初利用者を記録し、各地で人と車の長い列が生まれたと報じた。ヒューストンでは車列が約0.8キロに達することがあり、フードバンクは一日に約100万ポンドの食料を扱った。

ドライブスルー方式は接触を減らし、大量の箱を荷台へ渡せる。しかし、車を持たない人には同じ仕組みが障壁になりうる。外から見えるのは車列でも、一台の中には失職した本人、子ども、高齢の家族など複数人の食卓がある。新しい利用者にとって、列へ入ることは援助制度の使い方を初めて学ぶことでもあった。高速道路の渋滞に似た景色だが、目的地は職場でも行楽地でもない。冷蔵庫を空にしないための箱だった。パンデミックの経済的衝撃は、失業率のグラフだけでなく、配布係が一台ずつトランクを開ける速度として現れた。

従来の食料配布は徒歩の列や屋内受付を前提にすることも多かったが、感染対策は車を受付、待合室、運搬具にまとめた。効率は上がる一方、数百台が同時に来れば周辺道路の交通管理まで救援活動になる。食料支援の能力は倉庫の在庫だけでなく、車列を安全にほどく空間にも左右された。