2022年7月13日、レバノン北部と南部のパン店前に長い列ができた。現地紙L’Orient Todayによれば、北部ではトリポリ、ミニエ、アッカルで住民が並び、南部では同じ量のパン袋を1万2,000〜1万5,000レバノンポンドで売る店に列が集中した。一方、2万ポンドで売る店に来る人は少なかった。同じパンでも、価格差が人の流れを二つに分けたのである。
列はイード・アル=アドハーの前日から各地で見られ、パン不足をめぐる製パン業者と経済相の対立が続いていた。ウクライナとロシアからの小麦供給にも依存するなか、ロシアによるウクライナ侵攻が不足を悪化させた。約3万5,000トンの小麦到着が一時的な緩和策として見込まれていた。北部アル・ベッダウィでは、パン袋を先に得ようとする列をめぐる銃撃で2人が負傷したとも報じられた。
この列は、パンがあるかないかだけでなく、いくらなら買えるかを可視化した。高い店には空間が残り、安い店の前では時間と安全までが代価になっていた。
