東ドイツの飲食店では、食事の前に入口の列へ並び、「席へ案内します」という掲示に従うのが一般的だった。MDRの記録によれば、慢性的な席不足が背景にあり、空席が見えていても「予約済み」とされ、案内まで何時間も待つことがあった。
1990年のベルリンには約6,000軒の飲食店があったが、東側は1,400軒、西側は4,600軒だった。価格や供給が国家管理された社会で、レストランの列は料理の調理時間より、限られた席と店側の配分権を待つものだった。見えている空席が、利用できる席とは限らない。そのねじれが、この行列の特徴だった。
