1947年、ロンドンのテートで開かれたゴッホ展には、寒さと雨の中でも人々が並び、5週間で15万7,000人以上が訪れた。平日は1シリングの入場料が必要だったが、週末は無料で、入場者のおよそ半数が週末に集中した。新聞は食料配給店の列になぞらえ、「今度は絵を見るために並ぶ」と報じ、戦後の緊縮で色彩に飢えた人々が押し寄せたと評した。人気は観念的な比喩ではなく、床の損傷としても残った。テートの資料には、わずか5週間の展覧会で生じた「3年分」の床の傷みについて、アーツ・カウンシルへ補償を求めた書簡がある。生活必需品を得る列が街の日常だった時代に、同じ身体的な待機が絵画鑑賞へ向けられた。列は戦後生活の苦しさを消さなかったが、人々が不足していたものの中に、食料だけでなく色と文化もあったことを示した。