1942年、第二次世界大戦中の米国で砂糖の配給が始まった。配給制度は、限られた商品を購入する権利を一定の規則で割り振るものだ。店で砂糖を見つける以前に、登録して制度に入る必要があった。列が生まれる場所はレジだけではない。登録窓口の待機については地域と日時を確かめたいが、日常の甘さが行政手続きと結びついたという逆転は、この題材ならではだ。
配給券は砂糖そのものではない。買える権利を示す紙と、実際に商品が店にあることは別問題だ。この二段階の待ち方は、物不足の時代の買い物を考える鍵になる。
配給券は砂糖ではない。購入する資格があっても、店に現物がなければ甘いものは作れない。1942年の米国では、家庭の台所と国家の供給政策が登録手続きによってつながった。ここで描くべき列は、店頭の買い物客なのか、登録を待つ人々なのか。両者を分けるだけで、戦時の日常生活はより鮮明になる。
