インド南部ティルマラのヴェンカテーシュワラ寺院では、無料の参拝経路を「サルヴァ・ダルシャン」と呼ぶ。寺院当局の案内は、参拝者がヴァイクンタム・キュー・コンプレックスの区画で待ち、順に神像へ進む仕組みを説明している。無料なのは拝観料であって、時間ではない。混雑によって待ち時間は変わり、入口に着いたことと神前に立てることの間には、複数の待機区画がある。

ダルシャンは単なる建物見学ではなく、神を見ると同時に神から見られる宗教的な対面を意味する。その個人的な願いへ向かう道を、何万人もの参拝者が共有するため、寺院は人の流れを区画単位に分ける。列は一本の蛇のように延びるだけでなく、部屋に蓄えられた集団が次の区画へ送り出される構造を持つ。

高齢者、子ども連れ、遠方から来た人にとって、同じ一時間の負担は等しくない。だから信仰があれば長時間待てる、と単純化すべきではない。ここで意外なのは、最も私的な祈りへ近づくために、極めて制度化された共同の待機が必要になることだ。神像の前の一瞬は無料でも、その一瞬へ至る時間は、区画と順番によって細かく配分されている。