1940年10月、メイン州アロストック郡カリブーの澱粉工場前に、馬鈴薯を積んだトラックが約50台並んだ。農業安定局の写真家ジャック・デラーノの記録によれば、一部の農家は馬鈴薯の等級検査と計量を受けるまで24時間待っていた。

この列で待つのは商品を買う客ではない。収穫物を持ち込んだ生産者である。馬鈴薯は工場へ着いた時点では取引が終わらず、品質を等級に分け、重量を測って初めて受入量と代金の基礎が定まる。検査と秤が処理できる速度より搬入が速ければ、畑から来たトラックはそのまま倉庫前の待機場所になる。

同じ撮影群には、順番を待つフランス系カナダ人農家の姿も残る。列はほぼ50台、待ちは最長ではなく「一部が24時間」と資料に書かれているため、その範囲を越えて一般化しない。それでも一昼夜という時間は、収穫後も農家の仕事が終わらないことを示す。土から掘り出した作物は、検査員と秤の順番を通過して初めて市場の商品になった。