シェトランド諸島の島間フェリーでは、車両は無人ターミナルの指定レーンに入り、乗船を指示されるまで車とともに待つ。予約車と未予約車、行先、商用車などでレーンが分かれ、甲板の限られた空間と船の安定性によって、必ずしも到着順に積まれるわけではない。

この車列には、家畜を運ぶ車両も入る。シェトランド諸島評議会の運航資料は、家畜運搬トラックを特別に固定する対象として明記する。地域評議会の議事録も、家畜を運ぶ人にはフェリー予約が必要であること、家畜販売の時期には便が埋まり、家畜を積んだ車を長く待たせられないという現場の懸念を記録している。

待っているのは羊そのものではなく、家畜の安全を担う運転者と車両だ。列の順番は単純な先着順ではなく、予約、車両の大きさ、重量、固定方法、船の安定という条件で調整される。

島から市場へ家畜を運ぶには、海を渡る一便の枠が欠かせない。日常のフェリー列は、住民の移動だけでなく、島の農業を本土の流通へつなぐ待ち時間でもある。