キューバで列に加わるとき、目に見える最後尾を探すとは限らない。新しく来た人は「¿Quién es el último?(最後の人は誰ですか?)」と尋ね、返事をした人の顔を覚える。次の人が来れば、今度は自分が最後だと答える。順番はロープや番号札だけでなく、人から人へ渡される記憶によって保たれる。

ハバナの両替所CADECAで列を観察した2013年の記事は、人々がこの問いで順番を確認する様子を記録している。キューバ留学者向けのサラ・ローレンス大学の案内も、バス停、通信会社ETECSA、食堂などで同じ方法が使われると説明する。列の形が崩れて見えても、参加者のあいだには順番がある。

この仕組みなら、日陰へ移ったり、座ったりしても場所を失わずにすむ。その代わり、誰が誰の次かを互いに覚え、必要なら声に出して確かめる。機械が配る番号の代わりに、見知らぬ人どうしが小さな約束を受け渡す。キューバの列は、待つことが空間の配置だけでなく、共同の記憶でも成り立つことを教えてくれる。