ケニアの水不足地域では、列に並ぶのは人だけではない。給水地点の縁にジェリカンが順番どおり置かれ、給水が始まると先頭の容器から水が満たされていく。ケニアで活動する団体の現地記録は、近隣住民が容器を路肩に整然と並べ、先頭から給水する様子を伝えている。別の現地報道は、キテンゲラの一つの給水所に100個を超えるジェリカンが列をつくったと報告した。容器は、持ち主がその場に立ち続けなくても順番を可視化する印になる。とはいえ、これは待ち時間が消えたという意味ではない。水が届けば人は戻り、限られた供給を自宅へ運ばなければならない。都市の配管が安定していれば意識されない「順番」が、水不足の場所では黄色い容器の長い列として現れる。人の身体の代わりに生活道具が場所を取り、共同体が共有する給水の秩序を支える、物品による順番保持の記録である。
ケニア · 現代
ケニア|人より先にジェリカンが並ぶ給水列
