2022年3月11日、カトマンズのトリプレシュワール旅券局には、午前11時半から午後2時の間だけで2000人を超える利用者がいた。列は一つではなく、申請書提出、写真撮影、旧旅券更新、紛失旅券の再発行、新旅券受領に分かれていた。地方から来たダン・クマリ・サルキは、写真撮影のため三日続けて列に並んだ。
一日の発給能力が約1000冊なのに、申請は一日約5000件。電子旅券への移行、庁舎移転、国外就労と留学需要の回復が重なり、手続きごとの複数列が膨らんだ。電子化は待ち時間を自動的に消さない。画面やデータの裏側で、申請者はどの列に入り、いつ再び来るかを身体で判断し続けていた。
