2021年8月、アルバニアの生体認証IDカードと旅券の申請窓口に列ができた。内務省は、国外在住の市民が夏の帰省中に身分証を更新しようとして申請が集中したため、国内各地の窓口を土曜日にも開けると発表した。首都ティラナを含む対象窓口は朝8時から「列の最後の市民」まで対応するとされた。
列をつくったのは、休暇で故郷へ戻った移民・在外市民たちだった。限られた滞在中に申請を済ませなければ、旅券やIDの期限が仕事、渡航、行政手続きに影響する。窓口の休日開庁は単なる延長営業ではなく、海外で暮らす人々の帰省時期と行政の処理能力がぶつかった結果だった。
当局は感染症流行中の密集を避けるため、e-Albaniaで日時と番号を予約するよう呼びかけた。ここでは、歩道に見える列をオンラインの予約順へ移すことが対策になった。身分を証明する一枚を得るための待ち時間は、国を離れて暮らしていても故郷の制度とつながり続ける人々の事情を映している。
