2019年7月、ジンバブエの首都ハラレで、旅券申請者は中央旅券局の外に長い列をつくった。ガーディアンの現地報道では、エルダ・マクヴィセは2か月間ほぼ毎朝通い、列の位置を失わないよう、夫と交代で夜を過ごした。それでも申請にたどり着けなかった。記事は、28万件の申請が滞留する一方、この窓口の処理が1日約50件だったと報じている。
旅券用紙やインクを輸入する外貨の不足が、発給能力を圧迫していた。通常旅券でも受領まで1年近く待つ人がいるとされ、列は「今日の順番」だけでなく、何か月も続く行政停滞の入口になった。政府は処理能力をまず1日3,000件、のちに8,000件へ引き上げる目標を掲げたが、現場の列との差は大きかった。
旅券は国境を越えるための文書だが、それを得る前に、人々は庁舎の外で夜を越えなければならなかった。移動の自由を証明する冊子が、動かない列の先に置かれていたのである。
