北マケドニアでは、2018年のプレスパ合意を経て国名が変わり、旧国名を記した旅券や運転免許証などを新しい表記へ切り替える必要が生じた。2023年12月、スコピエの警察施設では、新しい身分証明書類を求める人々が列をつくった。現地報道は、個人書類を待つ長い列を写真で記録し、期限が近づくなかで市民が朝から手続きに訪れたと伝えている。
列の目的は、単に新しいカードを受け取ることではない。旅券は国境を越えるために、運転免許証は仕事や生活の移動に、身分証は年金や日々の行政手続きに関わる。国名をめぐる外交上の合意が、窓口では一人ひとりの写真撮影、申請、発行待ちへ変換された。
興味深いのは、国の名前は法律で一度に変えられても、書類は一人ずつしか更新できないことだ。列に並ぶ人々は、国家の大きな決定を、財布に入る一枚の証明書へ置き換える作業を待っていた。
