インドネシアのメッカ巡礼待機は、窓口前の列ではなく登録名簿の順番である。政府発表によれば、最長49年とされた待機期間を短縮するため計算式を変更し、全国平均をいったん26年へ縮めた。さらに巡礼希望者570万人分のデータを整理・検証すると、約40万件の無効データが見つかり、その年に出発する人の平均待機は14年になった。ここで短くなったのは、航空機が増えたからだけではなく、「誰が列にいるか」をデータ上で確かめ直したためである。名簿型の待機では、重複や無効登録が実在の人の出発年を押し下げる。整理作業そのものが、何百万人もの順番を組み替える巡礼政策になっていた。