2018年1月、ケニア南東部クワレ郡のキコネニ首長キャンプでは、午前10時の時点で300人を超える住民が住民登録サービスを求めて長い列をつくっていた。Business Dailyの現地報道によると、子どもの出生証明書を申請する親もいたが、多くは自分自身の出生を遅れて登録しようとする中高年だった。
出生証明書は一枚の紙だが、学校の試験、身分証、銀行口座、医療保険、相続や移動へつながる入口になる。遠隔地の住民にとって、通常の登録所までの交通費は大きな負担だった。そこで行政とPlan Internationalが村へ出向く登録活動を行うと、長く記録から外れていた人々が一つの窓口へ集まった。列が示していたのは、書類の需要だけではなく、公的に「ここにいる」と認められる機会の希少さだった。
