ネパールでは、秋の大祭ダサインが近づくと、銀行の窓口にもう一つの季節がやってくる。新しい紙幣への交換を待つ人々の列だ。年長者が若い世代にティカと呼ばれる祝福の印を授け、ダクシナとして現金を渡すとき、折り目のない札には額面とは別の気持ちが託される。古い札と新しい札の金額は同じでも、「渡す」という行為の手触りは同じではない。
2020年10月7日、カトマンズ発の『オンライン・カバル』は、ネパール中央銀行が例年と異なる新札配布方法を検討していると報じた。理由は新型コロナウイルスの感染拡大だった。例年、指定銀行の前には新札を求める人が何千人も並ぶ。しかしその年、中央銀行の広報担当者は、従来型の長い行列は見られないだろうと説明した一方、具体的な配布方法はまだ決まっていないとも述べた。
ここで記録されているのは、2020年に何千人が並んだという現場報告ではない。毎年恒例だった行列が、感染対策のために形を変えようとしているという、まさにその分岐点である。見知らぬ人と銀行の前に立つ行為がリスクになったとき、祝福のための準備と公衆衛生の必要がぶつかった。祝祭の意味を守ろうとすれば、長年の受け取り方を変えなければならない。
銀行にとって新札は発行・流通させる現金だが、受け取る人にとっては、これから会う家族の顔まで含んだものでもある。だからこの行列は、単なる両替の混雑ではない。人々が祝いの場を思い描きながら待つ時間だった。2020年の報道は、その列を消すことが、必ずしも祝いを消すことではないと教えてくれる。
新札の配布方法が変われば、祭り前の風景から銀行列は消えるかもしれない。それでも贈る紙幣への需要は残り、待機は窓口から別の予約や流通経路へ移る。
ネパールではダサイン前に新札を家族へ渡す慣習が、中央銀行前の数千人規模の列を生んできた。2020年には感染リスクのため従来方式を見直した。消えた列は需要の消滅ではなく、祝祭の習慣を別の配布経路へ移す試みだった。
