2022年5月、ベトナム女子代表とタイ代表が戦うSEA Games 31決勝を前に、カムファー競技場へ続く柵沿いには人ではなく、名前を書いた椅子やレンガが長く並んだ。入場は無料だが、安全管理のため翌21日午前7時30分から三つの会場で観戦券を配り、1人が受け取れるのは最大2枚。約1万6,000席の競技場に需要が集中したため、ファンは前日から物を置いて順番を保持しようとした。
当局は混乱と景観上の問題を避けるため、20日昼に椅子とレンガを撤去した。ここでは順番を示す身体が、持ち主の名前を背負った日用品へ置き換わったのである。無料券でも希少性は消えない。価格ではなく、早く来られる時間と、場所を預けられる物が入場機会を左右した。
