1949年末から1950年春にかけて、写真家マーガレット・バーク=ホワイトは南アフリカ各地を取材した。LIFE誌の写真群を紹介するTIMEの記録には、黒人男性たちがパスブックを受け取るため列に並ぶ場面がある。パスブックは、当時の白人支配のもとで黒人の移動や就労を管理するために使われた国内通行文書だった。
ここで待たれていたのは、便利なサービスではなく、自国の町を移動し働くために権力が求めた書類である。列の一人ひとりは同じ窓口へ向かっていても、待たされることの重さは制度によってつくられていた。本稿は写真が確認する交付列に限って描き、個々の男性の経歴やその後を推測しない。
