2008年4月1日、ジンバブエの首都ハラレで、人々が銀行の現金自動預払機から現金を引き出すため列をつくった。Reutersの写真説明は、場所、日付、目的を明記している。同年1月のReuters報道も、高額紙幣が導入されても現金不足が解消せず、住民が引き出しを求めて銀行に長い列をつくったと伝えた。

ハイパーインフレ下では、待っている間にも紙幣の購買力が失われていく。口座に金額があっても、ATMや窓口に現金が届かなければ日々の買い物には使えない。高額紙幣の発行は持ち運ぶ札の枚数を減らしても、現金そのものの不足や物価上昇を止めなかった。

この列は、銀行サービスの単なる混雑ではない。自分の口座から現金を受け取り、その現金にまだ買える力があるうちに暮らしへ戻すための順番だった。時間を使ってお金を待つ一方で、そのお金の価値は時間に削られていった。