1949年4月27日、東京の都営住宅申込会場には雨のなか長い列ができた。昭和館の公式写真アーカイブは、わずか32戸の募集に一万人が申し込み、一日中並んだ人もいたと記録している。継承データの「1950年代」は、この一次資料に基づき1949年へ訂正した。
戦後の東京では住宅不足が深刻で、公営住宅の一戸は暮らしを立て直す希少な機会だった。抽選結果は運で決まっても、申込みにはまず窓口へたどり着く必要がある。列は不足の規模を目に見える形にした。
家が欲しいという願いは、豪華さではなく安心して眠れる場所への願いだ。同じ雨に濡れながら、人々は別々の家族の未来を待っていた。
